02-03-6;先天性心疾患
ASD
- 先天性心疾患の約7〜13%を占める。
- 肺高血圧がなく、無症状であれば心房中隔欠損孔の自然閉鎖の可能性(15〜20%;稀であるが)のある乳児期には手術せず、4〜5歳で手術するのが一般的である。
- 学童で0.02%に発見。
- 女性に多く、20〜40歳で自覚症状を呈することが多い。
- 肺動脈弁領域の駆出性雑音を聴取したら、心房中隔欠損を考えII音固定性分裂に神経を集中させる。
- エコー検査で右心系と左房の拡大があれば注意。心電図ではIRBBBは79%に認める(右軸偏位は55%。収縮期雑音とII音固定性分裂は90%以上)
検査
- 通常は正常軸もしくは右軸偏位を認めるが、左軸偏位を認める場合には一次孔欠損型を疑う。
成人期心房中隔欠損
- 成人の先天性心疾患の約40%を占め(男女比1:2)、無症状のまま経過し70〜80歳で初めて診断されるケースもある。
- 加齢とともに不整脈や心不全の合併が多くなる(ほとんどの症例は60歳までに)。特に高血圧合併は悪化因子の1つ。
- 未治療で経過した50歳以上の生存率は約50%以下であるともいわれ、可能であれば成人期においてもできるだけ早期の閉鎖術が好ましい。(30歳を過ぎると心不全死が増加する)
- 欠損孔の存在と心房細動の影響もあり、奇異性塞栓になる可能性があり、抗凝固療法が必要なことが多い。